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寄稿文 カナダ - 日本

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カナダ国内移住体験記(1)トロント市からBC州ビクトリア市へ
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    今年の5月に、40年余り住んだトロントからヴィクトリア
    へ国内移住しました。
    その体験記を8月からトロントのメルマガ誌、e-nikka
    (前身−日加タイムス)に不定期掲載することになり
    ました。


              〜*〜*〜*〜*〜


    シニア層が多くなった移住者たち

    人は何処に住んでいても、年月と共に齢を重ね、元気
    ハツラツだった実年から壮年になり、やがては老齢期
    に移行していきます。もちろんカナダの日本人移住者
    の場合も例外ではありません。


    人口的には、やはり団塊の世代(ベビーブーマー)と
    呼ばれる年齢層の人々が沢山いますし、恐らくトロン
    トやその周辺に一番多く住んでいるのではないかと思
    います。



    CNタワー、トロントの街の象徴

    統計を見れば移住者のピークを迎えたのは
    1973年前後で、
    その当時来加した人々は、すでにリタイアメント・エイジ
    を迎えたか、これから迎えようとしています。

    そんな人生の転機にあたっては「さて、今後何処に住もう
    か?」と考える人も多いことでしょう。


    若い時に色々な理由で日本を離れ、カナダで生活すること
    を選択した身としては、やはり仕事、家族、友だちなど、
    長期に渡って人間関係を築いて来た
    この国の何処かが
    「終の棲家」となるのは当然です。

    いつの時も人生行路は人それぞれの選択ではあっても、
    誰一人として決して若返ることはない事を思えば「そこ
    からの生活」がスムーズに流れることを誰もが願うのも
    また当然と言えると思います。


    さて私もその一人で、長い試行錯誤の末、今年5月にBC
    ビクトリア市に移住し今後の生活を維持しようと決心しま
    した。日本からの移住地はトロントが唯一無二で、他の場
    所に住んだ経験はなく
    40余年の歳月を同じ街で暮らしまし
    た。

    トロント市内では、独身時代に3回、結婚してからも3回の
    引越しを経験していますが、州を越えて移動するのは今回
    が初めてです。

    最終的にヴィクトリアに引っ越すことを決心した時の友人
    たちの反応は「カナダの中で一番温暖な場所に住めて羨ま
    しい!」というものでした。
    雪の降る永い極寒の日々を思えば、そんなコメントもむべ
    なるかなとは思います。


    更には「自由に移動できる生活条件なのがいいわね」とも。
    つまり、まだ仕事をしている人々や、自分はリタイアしてい
    ても、子供
    たちがトロント(周辺)で根を下ろして生活して
    いるために、家族から離れることはとても出来ないという
    人々からのコメントでした。


    移住先を決めるまでの道のり

    私には同い年のカナダ人の夫がいるのですが(2人の子ども
    は独立)、夫婦ともフリーランスとして長いこと仕事をして
    いたため、勤め人のように「一応」
    65歳前後で定年といっ
    たものはありませんでした。


    しかしいつかは訪れるその時のために、夫は以前から
    トロントを離れる計画を立てていました。最大の理由は、
    冬は寒く夏は蒸し暑いトロントの気候が、身体的に何か
    と問題になっていたからです。


    私も冬の寒さは何年経っても好きにはなれなかったので
    すが、夏は日本に比べれば大して苦ではありませんで
    した。


    ice storm
    2013年12月にオンタリオ州辺を襲ったアイス・ストーム

    ice storm
    トロントの街は雪と氷で埋め尽くされ至る所で被害が続出

    クシャミが出ると怒涛の如く10数回立て続けに
    「ハックショ〜ン」を繰り返すといったことが年中でした。

    ですから3年ほど前の春に南米のエクアドル共和国に旅行
    した折りに、赤道直下に位置するアンデス山脈の中腹

    2850mの高地にある首都(キト)を訪れた時は、一年を通
    じて冷涼な気候のため非常に快適で、長い間の鼻詰りが
    一気に解消しました。


    となるともう待ったなし!「エクアドルに移住しよう!」
    となったのですが、私は「ちょっと待ってよ!」と必死に
    引き止めました。
    今からスペイン語圏に移り住むなど私にはとても考えられ
    ることではなかったからです。


    それまでにも、メキシコ、パナマ、コスタ・リカなどを
    始め、州内ではサンダーベイからエリオット・レイク
    (ヒューロン湖の北)の周辺まで、「移住」ということを
    頭の隅に入れながらどれほどの場所を訪れたことでしょう。
    そして「ここなら住めるかな?」という思いを繰り返して
    来ました。
    その旅路を記したら優に一冊の本になるかと思われます。


    しかしヴィクトリアへの引越しもそう簡単に決まったわけ
    ではありません。


    12年ほど前に初めて訪れた時は、その美しい街並みに
    感歎はしたものの、短期間の滞在では移住が可能かどう
    かを決めることは出来ませんでした。
    加えて私には、当時まだトロントでやりたい仕事が幾つか
    あったのが大きな理由で、「トロントを離れる」という
    決心には至らなかったのです。


    そして去年の4月、私たちは再度「移住先としてどうか?」
    という目線から見てみようと島を訪れ、
    2週間ほどナナイモ
    (島の中央)を拠点に北端の
    Port Hardyという街までくま
    なく見て廻りました。レンタカーの走行距離は
    4500キロ。
    どれだけ走り廻ったか分かろうというものです。


    ice storm
    ヴィクトリア・アイランドの北端の街 Port Hardy。
    一軒ある日本のレストランメニューには”ちらし寿司”とある。
    「お願い、これをチラシとは言はないで!」と一人でブツクサ・・・



    ice storm
    3月には咲き始めるというComox Valley
            (ヴィクトリアから北へ250キロ)の桜


    夫一人再度ヴィクトリアに滞在


    とは言えここでも一番の気がかりは、島の気候でした。
    周知の通り西海岸は海あり山ありの風光明媚な場所です。
    ヴィクトリアはヴァンクヴァーより雨は少ないのですが、
    それでも湿気の多いことで知られていますし、これが夫
    の健康にどの程度弊害になるか不透明でした。 



    ヴァンクーヴァーほどではないが、ここも雨が多いため屋根に
                    育った苔(ナナイモ市にて)


    実は夫は、ヴァンクヴァー生まれでティーンエイジャー
    の半ばまで当地周辺で育ちました。しかし当時から、初秋
    から冬にかけては常に何らかのアレルギーに悩まされてい
    たため、先回ナナイモを訪れたのは春で問題はなかったも
    のの、秋にどんな常態になるか自分でもとても不安だった
    のです。


    でもここまで来たのなら、もうトコトン体験した後に結論
    を出そうと決心し、去年の秋(
    9月)には夫一人で訪島し
    2ヶ月余り生活をしてみることにしました。

    人は旅人である時は、日常の細々した雑事から離れ特別な
    空間で生活するためプレッシャーなども少ないものです。
    まして場所から場所への移動のない旅は、夫にとってこの
    上なく快適だったようで「大丈夫ここでやっていける」と
    いう思いが沸きあがったようです。

    私もこの頃には心の準備も徐々に出来ていたため、「トロ
    ントを離れる」と言う現実に前向きになっていました。


    不定期リポート

    しかし同時に周りからの雑音もいろいろと耳に入って来
    ました。


    「トロントより暖かいのはいいけど、ヴィクトリアなんて
    文化的には何もないよ」


    「ゴルフ、テニス、スキー、サイクリング、ジョギングなん
    かを楽しむ運動会系の人なら別だけど、そういうことに興味
    ないあなたには退屈よ、きっと!」


    「温暖な気候と日本に近いことに誘われて一度は西海岸に移
    っては見たけど、トロントに戻った人も何人かいるみたい」

    などなどなど・・・。

    果たしてこんなコメントのどれが本当で、どれが本当ではな
    いのか?


    新たな人生を繰り広げることになったこの地での生活の見た
    まま感じたままを、しばらくの間不定期にリポートしてみた
    いと思います。


    ビクトリアではないにしても、すでに同じような経験をな
    さった方もいるかも知れませんが、一人の移住者の決心と
    成り行きを共有していただけたら嬉しい限りです。

     
                                                           
                                 
                       ・・・つづく








     
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