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寄稿文 カナダ - 日本

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カナダ国内移住体験記(2)トロント市からBC州ビクトリア市へ
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    断捨離
    すでに家族が巣立ちシニア世代に入り、新婚当時と同
    じように再度夫婦だけの生活になった経験を持つ方に
    は容易にお分かりでしょうが、子供が育つ間には想像
    を絶するほどの「品物」が増えるものです。


    幼少時代の数え切れない玩具。ティーンエイジャーに
    なってからのスポーツ用具や無数の
    CDDVD、ポスター、
    雑誌類。家族旅行で買った記念品や諸々のお土産物。

    生まれてこの方のアルバムや捨てがたい小物たち。
    習い事をした各種の楽器や楽譜・・・。その一つ一つに、
    一気には処理できない「思い出」という重くて厄介な
    気持ちが付きまとうのです。


    ijyuki-2
    広告で募集した人にフリーでピアノをあげ、それを運び出す運送屋


    一方成人した子供はと見れば、育った家から一歩も外に出
    ることなく優秀な成績で学業を終え、卒業と同時に就職、
    そして結婚・・・、そんな絵に描いたような「素直で問題
    のない生き方」をする次世代ばかりではありません。


    例えば、高校を終えてから大学に入るまでの12年バック
    パックで旅に出る子。大学を終えてもすぐに定職にはつかず
    アルバイトなどで好きな道を模索する子。
    結婚はしたものの諸々の事情で離婚し子連れで親の家に戻る
    子。結婚は念頭になくパートナーとの同棲生活をする子。
    その後「出来ちゃった婚」をする子・・・などなど等。


    ijyuki-2
    大学の卒業式

    しかし一応経済的には自立しているのであれば、親は文句
    の言葉を飲み込むことになりますが、周りを見廻わすと、
    そんなお子さんを抱えている家族は全く珍しいことでは
    ありません。


    となると、多かれ少なかれ子供が残した品物が家の何処か
    に残っているのが普通で、親は身軽になりたくてもそう
    簡単には「断捨離」は出来ないのです。


    ijyuki-2
    子供には大切な思い出の縫いぐるみ


    それでもある日ある時、夫婦では広すぎる家に見切り
    をつけたいと、大英断を下して持ち家を売りに出し
    コンドなどに移るカップルもまた少なくないようです。


    しかし、くたびれるばかりで労力ほどに儲からない
    ガラージセールを何度やってみても、一向に減らない
    持ち物。最後にはギュウと目をつむりゴミ箱に投げ
    入れて引っ越しをしてみると、容赦なく捨てた品々に
    胸が痛み夜中にふと目が覚め大きな溜息が出たりし
    ます。


    私もご多分に漏れずそんな遍歴をして10年前に持ち
    家からコンドに移りました。その時誓ったことは
    「もう絶対に物を増やさない!」ということでしたが、
    別に贅沢をしているわけではなくても、その意思を
    貫徹することの難しさは並大抵なものではありません
    でした。
    でもそれはとりもなおさず「生きていることの証」
    なのかもしれません。


    再度の断捨離

    お陰さまで10年ほど住んだコンドは、今回無理のない経過
    で買って下さる方が見付かりました。しかし、いざ再度の
    断捨離をしてみると、またまた「思い出」などというセンチ
    メンタルな感情が頭をもたげ、その想いと戦うことを余儀
    なくされました。


    私は自他共に認める「整理魔」で、物は徐々に増えても
    それなりにきちんとまとめていた積もりでした。
    でも夫が軽飛行機を運転するのを趣味とする人だったため、
    飛行機と共に格納庫に収められていた品物の処理にどれ
    ほどの時間が掛かったことでしょう!


    「飛行機」などと言うと「すご〜い!」と驚かれるのですが、
    郊外に住んで2台目の車を持つのと同じくらいの値段で買え
    る程度の飛行機だったため、メカ好きの夫の趣味に文句を付
    けることなく、また私にしてみれば、日常目にしたくない
    ガラクタの置き場があることでとても便利だったのです。


    ijyuki-2

    夫の所持していた格納庫と飛行機(中央の白い機体)



    私にはほとんど価値や意味のない飛行機や、徐々に集めた
    大好きな道具類は、夫に取っては身を切られるような思い
    で手放さなければならなかったのです。
    誰にもこうした宝物はあるものですが、しかし何処からか
    行動を起こさないことには次のステップに移れないのが人
    の気持ちというものです。

    「動き出したのだから何とかしなければ!」そんな思いが
    一歩前に踏み込ませるのです。飛行機を売ることから始
    まって諸々の道具類を完全に処理するまでに、夫は1年余
    の歳月を要しました。


    この当時の夫婦喧嘩は、頭では分かっていても心情的に受け
    入れがたく悶々とした日々を送る夫に「自分にとって大事な
    物を処理するのはあなただけではないのよ!」という私の冷
    たい言葉から始まることが多かったのです。


    今思えば、もう少し優しい言いようもあったものをと考えま
    すが、繰り返される身辺の処理に心身共に疲れが溜まって来
    ると、感情の捌け口は共に暮らす相手にぶつける以外になく
    なってしまいます。


    インターネット様々

    「ヴィクトリアに国内移住をしましょう」という最低線の
    希望だけは
    2人にはあっても、「では何処に引っ越すか?」
    となれば心当たりがあったわけではないのです。


    でも私は常々「都会以外は住んだことがないから田舎は
    嫌よ!」と口にしていました。しかしそれが、一生懸命
    「住みか探し」をしてくれる夫のネックになっていました。
    そのことは十分に承知していましたが、これだけはどう
    しても譲れない私の最後の砦だったのです。


    トロントでは結婚後に数年住んだスカーボロでさえ私には
    不便に思え、
    2軒目の家はハイパークの近くでTTCの地下鉄
    駅に
    5分という家を選びましたし、10年住んだコンドもや
    はり
    TTCの沿線沿いで、コンドの玄関から駅まで歩数にし
    400歩という場所でした。

    ですから「移住するならビクトリアの街中」というのが希望
    だったのですが、夫は平均的カナダ人のご多分に漏れず自然
    と共生出来る場所が大好きで、それがトロントの街中の生活
    を忌み嫌う原因でもありました。


    特に秋に問題のあるアレルギー持ちの夫は、国内移住体験記
    (1)でも書いたように、昨秋当地に来て
    2ヶ月余り一人で
    ビクトリアで暮らした折、気に入った売家やコンドがあると
    自分で写真を撮ったり、また不動産会社が運営するサイトの
    見取り図や詳細をトロントに送って来ました。
    そして夜になると両都市で、お互いにコンピューターに向
    かって同じサイトを見ながらウンチクを傾けたのです。


    でもそんなある日、本土とビクトリア・アイランドの間にあ
    る海峡・ジョージア灘(
    Strait of Georgia)に浮かぶ極小の
    メイン・アイランド(
    Mayne  Island)と呼ばれる島の売家
    を幾つか送って来ました。

    私がそんな島に住めるわけがないことを承知してのおふざけ
    だったのですが、私はどう魔が差したのでしょうか「へーっ、
    こんな島に一年ぐらい暮らすのも面白いかもね!」などと
    口走ってしまったのです。

     
    さあ、翌朝一番のメイン・アイランド行きフェリーに夫の姿
    があったのは言うまでもありません。次々に送ってくる島の
    写真を見ながら「一体私は何を血迷ったのかしら?!」と
    一人ごちたのでした。


    でも本心を言えば、実はこの時、1976年に67歳でトロント
    に移住し
    22年間暮らした後日本に戻った実母のカナダ体験を
    書いた私の処女作「カナダ生き生き老い暮らし」(集英社)
    の英訳を考えていたのです。
    日本語を読めない友人たちから「是非英訳して!」と言われ
    ていたため、シニアになってからのライフプロジェクトとし
    て考えていました。


    雑念の入らない島の生活なら集中できるかな、なんて甘い考
    えがふと頭をよぎったというわけです。



    ijyuki-2
    売れ行き好調で単行本から文庫本になった処女作

    今では誰もが当たり前に利用している不動産屋のインター
    ネットサイトは、今では信じがたいことながら、
    10年前に
    私たちがコンドを探していた頃には、今ほどには発達して
    いませんでした。
    (それでもアメリカの同業界にくらべれば今でもカナダの
    はまだまだ遅れています)


    便利なテクノロジーがなければもう日々の生活は成り立ち
    ませんが、特に今回の引越しの時にはその恩恵にこうむり
    有り難さを痛感しました。

    とは言え、情報の良し悪しを厳しく見分ける目を持たない
    と、それがどの程度自分たちのこれからの生活に直接役立
    つかは疑問で、返ってその情報に右往左往されることにな
    りかねません。

     
                                               

                         ・・・つづく


     
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