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寄稿文 カナダ - 日本

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ヴィクトリア見聞録(Vol.4)
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    ヒラリー氏

     

    ヴィクトリアの海辺から 
           Vol.4 (2015年4月27日号) 


    日本政府の「輝く女性政策」


    先進国と呼ばれる国々の社会問題の一つは「少子高齢
    化」で、それが特に顕著なのが日本である事は広く知
    られている。
    日々のニュースで、この言葉を見聞きしない日はない、
    と言っても過言ではない。

    医学の発達で高齢者が長生きする一方、若い世代が
    子供を産まなくなっている。そんな社会のアンバラン
    スを何とかしようと、日本政府は働く女性のサポート
    に力を入れ始めた。

    特に、出産後でも育児と仕事の両立を望むワーキン
    グマザーの後押しをするため、「輝く女性政策」と
    いうのを成長戦略の一つとして掲げた。

    日本は欧州の国々や米・加・豪のように、移民によっ
    て子供を増やす政策がないため、何とか国内で“賄
    (まかな)おう”と躍起なのだ。
    無策のまま安易に移民を増やし、後に問題に
    なるより、自力で解決した方が得策と見ているの
    だろう。

    だが皮肉っぽい見方をすれば、これはまるで戦時
    中の「産めよ殖やせよ」の時代を彷彿(ほうふつ)
    とさせる。

    厚生労働省のホームページ「いっしょに検証!
    公的年金」には、少子化のなか、国民年金を将来どの
    ように維持していくかのマンガが幾つも載っている。

    最後のエピソードでは、登場人物の姉が「そうだ、
    あんたが結婚してたくさん子供を産めばいいのよ!」
    と妹に言い、それに対し社会保険労務士が「バリバリ
    働いてお見合いパーティーも頑張りましょ!」
    とのオチつく。

    つまり女性は、学校を出たらしっかり働き、一生懸命
    婚活に励んで結婚し、子をたくさん産み、なおかつ
    仕事を続け、国の年金制度や経済の発展に寄与して
    欲しいということになる。

    しかし、共働きの子育てには夫の協力は不可欠にも関
    わらず、6歳児以下の子を持つ日本人夫の家事・育児に
    費やす時間は1.07時間で、米の3時間13分とは比較に
    ならない程少ない(2012年法務省調査)。

    最近は会社によって残業を極力少なくする動きもある
    が、退社後のノミニケーション(お酒を飲みながらの
    付き合い)が重要なことは変わらず、女性は「社会
    進出」したが、男性は「家庭進出」をしていないのだ。

    官主導で社会を変えようとするのは結構なことだが、
    ワークバランスを欠けば、近い将来多くの女性が疲れ
    きってしまうことは目に見えている。

    1980年代半ばにアメリカで使われ始めた「スーパー
    ウーマン症候群」に陥る、或いは、とっくに陥ってい
    る日本女性も多いと聞く。

    すでにこんな流れを体現して久しいアメリカでは、
    高学歴女性の専業主婦回帰が最近一つの流れになっ
    ているとか。

    昨年上梓されたEmily Matchar氏の著書
    「Housewife2.0」では、こうした新・専業主婦を
    目指す女性たちが話題を呼んだ。

    高収入の一線からは身を引き、会社に縛られない
    自分流の手作りライフを楽しむ。

    ジャムを作り編み物をするゆとりのある生活をし
    ながら、一方ウェブやSNSを利用して企業したり
    もする。

    日本にもこんな女性がすでにいることは承知だが、
    もし続出したら、政府主導の社会進出の後押し政策
    が頓挫(とんざ)する可能性もありか?

    いや日本人は一つの流れが定まると、驚くほど従順
    に規則に従う傾向が強いため、国の新政策も近い
    将来一定の成果は得られることだろう。

    だが種々の理由で結婚・出産を選択しない女性たち、
    特に子を持たない場合には「女性にあらず」と言った
    流れがすでに加速しているとも聞く。

    黄門様の「葵の御門」の如く「子持ちが絶対」など
    という狭量さによって、多様な生き方が否定される
    ことのないよう願いたい。

    ちなみに米国では15〜44歳までの女性で、子供無し
    率は47.6%。管理職や専門職の40〜50歳までの女性
    では、同年齢層の他の職種の人に比べると子供無しの
    傾向が強く、また2000年1月〜2014年6月までの間に
    第一子を出産した女性の5人に一人は同棲中という。

    ふと思い出すのが、東京在住の友人の娘さんが同棲中
    に計画的に子供を産んだが、父親である男性と別れる
    積もりは更々ないものの、役所での諸々の登録が
    超面倒なことに音(ね)を上げ、意に反して、とう
    とう結婚という形を選択した。

    2年ほど前の話である。



    追記:5月13日(水)

    以下は最新の日本の現状である。


    日本の少子化は考えているより深刻で、今年4月1日
    時点の子どもの数(14歳未満人口)は1617万人。
    34年連続で減っている。

    この現状が続くと、50年後の日本の人口は
    8000万人台に落むため、国は50年後も人
    口1億人を維持したいと考えている。

    だが、目標達成は容易ではなく、子どもを生み
    育てたいと自然と思えるような社会環境を整えな
    ければいけない。

    少子化に歯止めをかけようと
    国は躍起になる一方
    で、女性活躍推進の旗も振っているが、「出産と
    キャリア」女性にとってこの両立はいまだ難関。

    独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査に
    よると、女性管理職(従業員規模300人以上)は
    42.3%が未婚で、子どもを持つ人は37.3%。

    一方、男性管理職(同)の未婚率はわずか8.6%、
    子どもを持つ人は81.0%。


    男性が「妻も子どもも、キャリアも」比較的易々と
    手にしているのに女性は今も「結婚か仕事か」
    「キャリアか出産か」の二者択一を迫られている。

    女性管理職の4割はシングルで、6割は子どもが
    いない」
    。こんな職場の現実を若い女性たちは目の
    当たりにしている。

    おそらく男性は女性のそんな状況そ知っていても
    気づかないふりをしている。行政が「少子化克服」
    「女性活躍」とどんなに
    強くアピールしても、
    なかなか女性の心には響かない。








     

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