SELECTED ENTRIES
RECENT COMMENTS
CATEGORIES
ARCHIVES
MOBILE
qrcode
LINKS
PROFILE
OTHERS

09
--
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
--
>>
<<
--

寄稿文 カナダ - 日本

<< ヴィクトリア見聞録(Vol.4) | main | ヴィクトリア見聞録(Vol.6) >>
ヴィクトリア見聞録(Vol.5)
0

    ヒラリー氏

     

    ヴィクトリアの海辺から 
           Vol.5 (2015年5月27日号)

    ヴィクトリアのアート事情
     


    私は去年の5月末に、トロントからヴィクトリアに国内移住したため、カレンダーが5月になった途端に、まるで動物が冬眠から目覚めたかのように、人々が蠢(うごめ)く様を知らなかった。

     今年は特に、2日が土曜日、3日が日曜日という週末だったことで、「**アートショウ」「**ガーデンショウ」「**マーケット」等が一斉に開催されたため、「5月になった途端に!」という印象を持ったのかも知れない。

     この週末の新聞のイベント欄を見ると「おやまあ、こんなに催し物が?!」と思うほど百花繚乱。お天気が飛び切り良かったことで、私も仕事でかじり付いているコンピューターの前から少し離れ、知り合いが誘ってくれた某アートショウに出かけた。

     このアーティストは、ヴィクトリア(あるいはカナダ?)ではとみに有名なオランダ系カナダ人の彫刻家とのことで、自宅を開放しての作品展を開いたのである。

     広大な敷地に建つ広々とした家は、Haro海峡を望み、碧い海、澄み切ったライトブルーの空をバックに置かれた石の彫刻が点在する庭は、まるでハリウッド映画のセッティングのようであった。


    彫刻家
    見晴らしの素晴らしい裏庭

    彫刻家

     また、豪華なインテリアの屋内にも、玄関から居間、キッチンに至るまで作品が整然と並んでおり、前に置かれた小さな紙には作品のタイトル、裏を返せば値段が書かれている。

     アートの値段と言うものは、あってないも同じで、ひとえに鑑賞する人の判断に任されるもの。買い手が価値を見出せば言い値が言い値になり、価値なしと思えば二束三文にしかならないのである。


    彫刻家
    所狭しと並ぶ作品

     彼の作品の場合は、どれも一般人が簡単に手を出せる値段ではないのだが、それはさておき、私にはどの作品にも正直言って『心に響くもの、心に迫るもの』を感じることが出来なかった。

     更にぶっちゃけて失礼を承知で言ってしまうと、「何処かのお土産もの屋のショーウィンドウで見たような気がするな〜」とまで思ってしまった。つまりスケールや技法は文句なくは素晴らしいものの、オリジナリティが感じられないのだ。


    彫刻家
    最近行ったアラスカクルーズの停泊先のお土産物屋

     だが私は「これだけの作品を造っているのに何故?」と不思議に思ったのだが、彼の生い立ちを知り、思わず「納得!」と叫んでしまった。

     彼の家族は、ヴィクトリアでは有名なダッチベーカリーを経営しており、彫刻家になる以前には家業を手伝っていたとか。ケーキのデコレーションの技法はその方面の学校に行って修行したのだそうだ。つまり、スケールこそ違うものの、作品はケーキの上に乗っている「お飾り」に幅を持たせたものだったのだ。と、私には思えるのだ。


    彫刻家
    作品の一つジャンプするドルフィンの彫刻

     しかし翌日、今度は拙宅の近所のアートショウに足を運んだ折に出会った年配の鑑賞者2人が、この彫刻家の作品を「wonderful!」「magnificent!」とこもごも言っているのを耳にして、人それぞれと思ったのである。

     折りも折り、私が今のめり込んでいる翻訳原稿が、ヴィクトリアが生んだ鬼才の画家エミリ−・カーの伝記であるため、この女性の作品との比較に陥るのを避けることが出来ないのだ。

    彼女が生きて描いた時期は、
    1800年代後半から1900年代の半ばであったが、当時このヴィクトリアでは誰も彼女の作品に価値を見出せなかった。

     形あるものは形あるものとして、そのままをそのままとして描くことが良しとされていたためなのだが、「おや、これって、かの彫刻家の作品を愛でるヴィクトリアンに何処か似ていないだろうか・・・?」。

     
     彫刻家
    アラスカクルーズの船上にあるプール脇のドルフィンの彫刻。
    かの彫刻家の作品と似ていないか?!





     

    | - | 13:51 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









    http://blog2.keikomiyamatsu.com/trackback/45