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寄稿文 カナダ - 日本

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BC州・ビクトリアのお盆の供養
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    お盆

    往く夏を惜しむバラの花

     

     

    8月27日(土)記

     

    8月も後45日で終わるかと思うと、何か一抹の寂しさを感じる。夕日の落ちる時間も早くなったし、朝夕の涼しさもひと際感じられるようになって来た。

     

    長年住んだトロントの夏の締めくくりは、何と言っても8月後半の二週間余り、オンタリオ湖畔のCanadian National Exhibitionsと呼ばれる場所で 開かれる博覧会である。

     

    観覧車、ローラーコースターなどの乗物を始め、各種のゲーム、お化け屋敷、農産物展、有名シェフのデモや試食、ファッションショー、各種コンサート、そしてショッピングの売店やレストランが所狭しと軒を連ねる。

     

    これは9月のレイバーデーまで続き、町中はワサワサと落ち着かない。何回か行けば毎年同じことに気付くが、生粋のトロントニアンのある友人は、「これに行かなければ夏は終わらない!」と飽きもせず毎夏出かけていた。

     

    そんな大々的な催し物などはないビクトリアでは、さて一体何によって夏の通過を感じさせられるのか?

     

    冷静に周りを見廻すと、マラソン競争、自転車競走、はたまたドラゴンボート競争等など、健康志向の催し物が多い。加えてギリシャ人のグリーク・フェスティバル、スペイン人のフラメンコ大会、インド人の民族祭り、亡き人を弔うポルトガル人の行列などが催される。

     

    一か所に集まって大々的に…とはならないし、その規模の小ささには微笑ましささえ感じるが、どれも素人ぽっくって一生懸命なのは見ていて気持ちがよい。

     

    そこに加えて、日本人、日系カナダ人にとっては真夏の「お盆」の集まりがある。

     

    お盆

    100人ほどが集まるお盆の行事

     

    この行事を仕切るのは、本土のStevestonの町にある浄土真宗のお寺から来られるグラント・イクタ僧侶である。日系人150余体が眠るビクトリアのロス・ベイ墓地に来られるまでには、島の各所に残る古い日系人墓地を数か所巡り、お墓の掃除をして清めた後に先祖の霊のために野外での祈祷を行うのである。

     

    お盆

    本土Stevestonの町にある浄土真宗のお寺から毎年島の数か所にある

    日系人の墓参に来られるグラント・イクタ僧侶

     

    お盆

    野外に設けられた祭壇

     

    お盆

    読経の中でお焼香を済ませる

     

     

    去年この二日に渡るツアーに参加して、西海岸での日系史に改めて向き合い深く頭(こうべ)を垂れた。

     

    もちろん「お盆」とは日本特有のもので、「迎え火」「送り火」を焚き、ナスときゅりに割り箸を刺して馬と牛に見立てた精霊馬(しょうりょううま)を飾るのが習わしである。が、今どきは日本の都会などでは余り見られなくなったその行事を、この島に来て体験した時は、正直言って驚いたものである。

     

    私は今、英語で書かれた約140年前に始まった日本人のパイオニアたちの移民史を、グループで翻訳する仕事をまとめている。思っていたよりずっと大変な仕事であるが、我々の先祖の歴史と向き合うよい機会であることに間違いはない。

     

    白人社会の中で、何よりも強制移動という言葉にはいつくせない差別と闘いながら生き抜いた先人の頑張りがなくしては、我々の今の生活はないと言えるだろう。今後も一年に一度のお盆のお墓詣りで、彼らの過ぎ越し方に思いを馳せたいと思う。

     

    お盆

    ロス・ベイ墓地に眠る150余体の内、幼児の時に亡くなったのは50人ほどになる。

    今年はその子供たちのお墓に縫いぐるみを置いて供養した

     

     

     

     

     

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