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寄稿文 カナダ - 日本

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麻薬インジェクション・センター 再リポート
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    ヒラリー氏

     

    ホームレスが集まった州裁判所裏庭(Quadra St. & Burdet St.)のテントシティが、強制立ち退きによって姿を消したのは去年の夏。その頃から入れ替わるように、メディアが次々と採り上げるようになったのは「インジェクション・センター(麻薬を打てる公的施設)」の話題である。

     

    日に日にそのニュース量は増え、暮れも押し迫った頃には、ついに仮施設がホームレスの互助機関である「Our Place」(PandoraJohnson)と、そこから2ブロック程離れた低所得者用アパートの中に出現した、と報じた。

     

    injection

     

    「仮施設」というのは、連邦政府からの完全な「お墨付き」はまだ出ていないと言う意味である。フル活動を可能にするには、BC州政府が国に申請している法案C-37 が国会を通過しなければならないが、一月半ば現在まだ全面的な「Go」は下りていない。

     

    同施設を設ける一番の目的は、規制に沿った正常な手段でインジェクション・センターを運営する事にある。それによて麻薬の常習使用者が、「過剰摂取」で死亡するのを少しでも減少する事に繋がると信じられているからだ。

     

    周知の通りバンクバーでは、すでに同様の施設が13年前から運営されている。それでも去年一年間で916 人がBC州で亡くなっており、その約60%は強力な合成オピオイドのフェンタニル(fentanyl)の使用によるものである。

     

    普通に社会生活を送っている者には、麻薬を打たなければ生きて行けない人々の思いを想像するのは難しい。だがすべての常習者には、それぞれ異なった理由がある。

     

    中でも悲惨なのは母親が妊娠中に常習していたことで、その悪影響を受けて生まれた子供が同じ轍を踏んだり、劣悪な家庭環境からの逃避であったり、また女性の場合は、性暴力を受けたトラウマから逃れるために薬物使用をするケースなどである。

     

    一月12日付けのTimes Colonist紙には、「Our Place」のDon Evans事務局長が「どんな命も救うことによって次の道が開ける」とした投稿記事を載せている。

     

    私は昨春、テントシティのニュースを追っていた頃に何度もこの人に会った。物静かで相手の話に真摯に耳を傾ける姿勢は、社会から自らを寸断した、或いは寸断されて行き場ない人たちに、どれほどの安らぎを与えるだろうかと感じたものだ。今彼は、仮施設から本施設への移行に心血をを注いでいる。

     

    下の写真は一月初旬に私が施設の見学を申し込んだ時に撮ったものである。

     

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    まだフル活動ではないためか驚くほど簡易な作りだが、スーパーバイザーの管理のもとで運営が行われているのが見地された。常習者に精神的に寄り添うことで、立ち直りの方向にサポートもしていくと言う。だが残念なことに、今までそれに成功したのはたった一人とか。

     

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    こうしたニュースに対する世論の反応は、自業自得説から、開設資金を健康保険に廻してカウンセリングの場所を増設し、中毒患者がよりアクセス出来るようにすべきだ、とする意見など様々である。

     

    一方国際社会に目を向ければ、独裁的・過激的な発言で波紋を広げることの多いフィリピンの現大統領ドゥテルテ氏が、去年6月に就任以来半年で麻薬撲滅のために1000 余人もの関係者を殺害したことが話題になっている。

    また日本でも元プロ野球選手・清原和博氏が覚醒剤を使用したことで逮捕された。

     

    「麻薬」と一口に言っても、そこには数えきれない程の種類がある。そして製造する人、販売する人、使用する人、取り締まる人・・・が千路に入り乱れ、まるでイタチごっこの様相を呈している。

     

    残念ながら撲滅への道は果てしなく遠いかに見える。

     

     

     

     

     

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