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寄稿文 カナダ - 日本

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死者を悼む
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    ヒラリー氏

     

    バンクーバー・アイランドに住む日系人や日本からの移住者で、八月半ばにRoss Bay墓地で行われるお盆の行事を知らない人は余りいないかもしれない。

     

    1989年8月5日に建てられた記念碑

     

    これはVictoria Nikkei Cultural SocietyVNCS)が主催するもので、ビクトリア日本友好協会(VJFS)も協力するなどして行事を盛り上げる。

     

    日本で「お盆」と言えば、丁度中国のお正月「春節」のように、家族連れで(普通は夫の)実家を訪れるため、毎年この時期は交通渋滞が話題になる。

     

    夫には故郷の旧友たちと、久し振りに飲みに行く楽しみもあるようだが、妻は休む暇なく夫の実家で家事を手伝わなければならず、何のための盆休みかと憤懣やる方ない人も多いとか。

     

    そこで近年は、夫と子供だけを送って妻は自宅で一人のんびり・・・、と言うのがはやっていると聞く。「さもありなん」と妻の気持ちに同情するが、一方夫の両親たちには、お嫁さんに気遣いなく孫との時間を楽しめる利点もあると言われている。

     

    「お盆」などと言う習慣はないカナダだが、ここにも家族が集う「復活祭」「感謝祭」「クリスマス」があり、それなりに似たような問題が生じる場合もあると聞く。

     

    さてRoss Bay墓地のお盆の集まりは、特に西海岸方面では知っている人も多いように、もう何年も続いている行事である。

     

    バンク―バー・アイランドの各地に散在する日系墓地

             

     

    毎年Stevestonの仏教会からグラント・イクタ開教師がこの島に来られて、2日を掛けて島内のNanaimoDuncanChemainus Port Albanyなどなどにある幾つもの日系墓地を巡る。

     

    Ros Bay墓地−グラント・イクタ開教師によって祈祷が始まる

     

    私は3年前に初めてこの墓参行脚に参加し、戦前ここに多くの日系人たちが確かに生存していた足跡を目にして驚愕した。と言うのが私がトロントで出会った日系人たちは、BC州方面の出身者が多かったものの、ほとんどは戦後強制収容所からは解放されたものの、住み慣れたBC州の故郷に帰ることを4年間禁止されたため、東部に移住した人達だったからだ。

     

    この島に残っているのはお墓ばかりではない。ビクトリア市内には、昔日本人移民向けにホテルを経営していた建物の入り口に、家主(リンノスケ・オオサワ)のイニシアル「R」が真鍮で埋め込まれていたり、多くの日系人子弟が通ったVictoria高校、スポーツを楽しんだRoyal Athletic公園などが今も健在なのだ。

     

    僅かだがいまだに残る「R」のイニシャル

     

    そんな驚きのインパクトが、昨夏終了した翻訳本「希望の国カナダ・・・、夢に懸け、海を渡った移民たち」の出版に繋がったのである。

     

    二年係りで翻訳を終え陽の目を見た訳本

     

    永かった翻訳作業の間に何度も思ったことは「彼らの頑張りが今の日本人移住者(そのほとんどは国際結婚の女性たちである)が安定してこの国に住めることに繋がっているのであろうと思ったものだ。

     

    膝を付き一年の間にびっしりと苔むしたコンクリートの囲いを洗う

                

                水をかけ墓石を清める

    そんな感謝の意味も込めて、年一度のRoss Bay墓地でのお盆の行事に参加して、先祖の墓石を清め、一輪の花を添え、幼くして亡くなった子供の墓には縫いぐるみを置く(もちろん後からすべて回収する)のは大切なことに思える。

     

    Oriental Homeと呼ばれた救済所の子供たちの墓

               

                                    ボランティア同士仲良く協力し合って墓所を掃除

     

    何よりも清々しいのは、ボランティアの人々が惜しみなく力を併せ、先祖の死を悼む一時に真摯に向き合っていることである。

     

    風雨でダメージを受けた墓石をしっかりと調整する

              

              ボランティアが働いている間、尺八を吹いて労ってくれる奏者

     

    「お盆」という行事のあるべき姿を見る思いがする。

     

     

     

     

     

     

    | - | 02:08 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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