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寄稿文 カナダ - 日本

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訪日雑感
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    ヒラリー氏

     

     

     

    例年なら11年半程の間隔だった訪日が、諸事情で今回は2年半振りであった。たったそれだけの期間なのに、日本の発展振りには目を見張るものがあった。

     

    特に東京周辺では、周知のオリンピックを前に突貫工事が日夜行われている。渋谷などはその好例で「23日行かないと出入口が全く違った場所になっている」と住民でさえ驚きを隠せない様子だ。

     

    江の島がオリンピックでヨット競技の会場になる。

    そのため小田急線の終着駅、片瀬江ノ島駅も化粧直しをしている。

     

    首都圏のそこここで行われている、天を貫くほどの騒々しい工事の音を聞きながら、オリンピック開催国に起こりがちな大会後の不況が「どうか日本に起こりませんように!」と願わずにはいられなかった。

     

    加えて思いを巡らせたのは、来月(41日)から改正される出入国管理法の施行に伴って、日本で働く外国人の受け入れ枠が広がることへの深い思いであった。

     

    総務省と厚生労働省が発表した最新の統計を軸に、日本経済新聞が発表した「外国人依存度」を全国平均で見ると、2009年には112人に一人だったのが2018年には46人に一人になっている。伸び率は2.4倍でこれは大阪も同比率だが、鹿児島、福岡に至っては3.7倍である。

     

    改正施行は来月とは言え、すでにオリンピック関連の突貫工事の現場で働く労働力を、この助っ人たちが補っているであろうことは想像に難くない。

     

    今や広島の漁業、茨城の農業などを始め、彼らの手を借りなければ成り立たない仕事が山積みしているのだ。

    業種別の人種分布を見れば、いわゆる肉体労働を伴うような仕事にはタイ、インドネシア、フィリピン、中国、韓国・朝鮮と言ったアジア系の人々が殆どで、教育・学習支援、生活関連、娯楽業、公務などの‟きれいなお仕事“にはアメリカ、イギリスからの人々が多いことが分かる。

     

    豊富なお総菜売り場。こんな所にも外国人労働者が働いている

     

    しかし政府は、主に肉体労働を補う14種の仕事に就く予定の34万人(5年間)は、例外を除けばあくまでも「日本の労働力不足を補う一時的な滞在者」であり、将来移民として定住することは今の時点では視野に入れていない。

     

    だがこれだけの人数が日本全国に散らばって行くとなれば、働き手の数だけの個々の思いと生活があるわけで、十羽一絡げにまとめること等出来ない相談だ。

     

    加えてその多くが若い男女であることを思えば、将来同国人同士、あるいは日本人との「恋や愛」が芽生えることも不思議ではない。にもかかわらず、もし女性が妊娠でもしたら「はい、それ迄よ」とばかりに日本を追い出される羽目になるという。

     

    また妻子は同伴できないことが原則のため、もし男性が日本女性と関係を持ち、その女性が子を産んだ場合、子供が日本国籍を持つことは可能になる。今流にいえば「不倫の関係」だが、そうなれば本国の妻子たちとトラブルになることは目に見えている。いつもながら政府の考えの浅さによる社会問題が起こることは必須だ。

     

    訪日中のある日、私は東京へ向かうJR線の中で隣に座るネパールから夫婦で来ているという女性と言葉を交わした。

     

    まだ34歳とのことだが国の風習として早婚なため、すでに18歳の息子がおり、今はオーストラリアの大学に留学しているとか。「ネパール語、英語、日本語が堪能なので将来は三ヵ国語を活かしての仕事について欲しい」と言葉少なに語っていた。

     

    「で、あなた達将来はどうするの?」との問いに、「日本では移民になれないから、働けなくなったら本国に帰る」という。ビサの詳細は聞かなかったが、日本経済の底辺を支えるこうした人たちを「日本は見捨てるの?」と私は怒りさえ覚えた。

     

    だが将来は「なし崩し移民」も可能になるかもしれないという意見も聞かれはするが今のところは不透明だ。

     

    政府の施策のなさで迎えた自業自得の少子高齢化問題を補うには、こうした労働力を大事にしなければ日本の将来はないとつくづく思ったものだ。

     

    二月半ばには久しぶりに鶯の声を聞いた。

    「梅」に「鶯」とは言え、まだ寒い日々で唱歌「早春賦」を思わず口ずさんでしまった。

     

     

    | - | 11:17 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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