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寄稿文 カナダ - 日本

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言葉の変遷
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    ヒラリー氏

     

     

    ビクトリアの観光シーズン

     

     毎年「ああ、ビクトリアにいよいよ観光シーズンが来たな」とそのサインを感じさせてくれる春先の様子を見るのが私は好きだ。梅が終わり桜が咲き出す頃になると、町中には人力車、馬車、観光客用の“Hop-on Hop-off”のサインが車体に書かれた赤い二階建てのバスが走り出す。

     

    ビクトリア市のダウンタウン

     

     お天気が飛び切り良い日には、二階の屋根がオープンになったこのバスには、溢れんばかりのツーリストが乗っていて、ここぞというスポットに来ると速度を落とすため、皆一斉にカメラを構える。何処の国からの人々もこの動作は同じで、見ていると何だか微笑ましい。

     

    ビクトリアのダウンタウンはこの時期観光客で一杯になる

     

     もう大分昔の事になってしまったが、私も夫と共に2人の子供を引き連れて、世界の幾つもの国々を訪れた経験がある。その当時は今のようなテクノロジーの発達は無かったので、記念撮影はもっぱらカメラであった。4人揃って撮りたい時には、周りの誰かにシャッター押しを頼まなければならなかった。

     

     当時はオートフォーカスのコンパクトカメラが主流で、俗称‟バカチョン“と呼ばれた持ち運びのた易い、素人でも操作の簡単な物が大方を占めていた。

     

     この呼称の本来の意味は「馬鹿でもチョンとシャッターを押せば写真が撮れる」ということで使われ始めたそうだ。だが後日「チョン」が「チョンコ」という朝鮮人への侮蔑語に通じると解釈され、放送禁止用語になったという。

     

     丁度北米では、昔日本人を公に「ジャップ」と呼んでいた頃があったが、それは「ジャパニーズ」の略だったと昔を知るシニアの欧米人は言う。しかし時が流れ、このように呼ばれることに不快感を持つ日系人が増えたことで、今では禁句になっているのと同じことだ。

     

     言葉は時に鋭い矢のように人の心を射抜く。たった一つの単語でもそれによって傷つけられる人がいるのなら、再検討の余地がある事は言うまでもなく、使用禁止になるのは当然である。

     

    呼称の移り変わり

     

     記憶に残っている日本語の呼称変更論議の一つに、日本経済新聞の夕刊を賑わした「トルコ」という言葉があった。

     

    かなり昔のことになるが、その当時これは、いわゆる法すれすれで商売をする特殊浴場/マッサージパーラーの代名詞だったのだ。それに対し日本在住の某トルコ女性が不快感を示し別称を呼び掛けた。これが静かな社会問題に発展し、その後「ソープランド」と改名された。

     

     だが不思議なことに、今この二つの言葉の歴史をWikipediaや広辞林の第4版(1991年)で調べても載っておらず、言葉の変遷が抹殺されてしまった感がある。

     

    『混血児』『アイノコ』『ハーフ』

     

     もう一つは、別称を呼び掛けたものの残念ながら成立しなかった言葉に「ハーフ」というのがある。一般的には、日本人と外国人との間に産まれた子供を指すことは今や誰でもが知ることである。最近ではテニスの大坂ナオミ、タレントのローラ、ベッキーなどを始めとしてスポーツ界、芸能界にはワンサといて全く珍しいことではなくなった。

     

     だがこの言葉にも変遷があり、戦後すぐには「アイノコ」「混血児」と呼ばれた時代があったのだが、今それを知る人はまことに少数になってしまった。

     

     今は押しも押されぬ俳優として活躍している草刈正雄も、自分の出生で辛い思いをした時期があった事を以前明かしている。

     

    オフィシャルサイトより

     

     これもやはり日本経済新聞が「ハーフ」を「ダブル」にする呼びかけのような記事を載せたものの、いつの間にか立ち消えになってしまい新語は生まれなかった。

     

     その時の「ハーフ」の人たちの言い分は「人格が半分としか見られないようで嫌だ」というものだったのだ。私もその思いはすごく理解でき「ダブル」という言葉の誕生を強く望んだものだ。

     

     さて、どうでしょう?

     これ程沢山いるハーフの皆さん、もう一度ここで「ダブル」に変える大きな波のうねりを引き起こして見ませんか?

     

     

     

     

     

     

     

    | - | 07:53 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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