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寄稿文 カナダ - 日本

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映画『主戦場』を観て
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     この映画の感想に関しては、すでに原稿を一本バンクーバー新報の自分のコラムに書いているのだが、更なる思いを付け加えたく再度同じトピックをまとめたいと思う。


     重複する部分がある事をお許し頂きたい。2 月上旬に開かれたVictoria FilmFestival(VFF)は毎冬この時期に開催される。余談だが、数年前にトロントから当地に国内移住した時、私はここにもFilmFestival がある事に小躍りした。

     

     知る人も多いことだろうが、Toronto InternationalFilm Festival (TIFF)は市を挙げて大々的に開催され大きな収入源になっている。TIFF が世界の名立たる映画祭と違うのは、コンペティションがないためで、ハリウッドや欧州、または日本からの参加者たちは、とてもリラックスしてフェスティバル自体を楽しむ雰囲気がある。

     

     お陰で私も世界各地の映画祭で数多くの賞を取っている是枝裕和監督や、ユニークな作品の多い黒沢清監督等などにお目に掛かった。

     

     初めて体験するVFF では、詳細を知らなかったゆえに二つの映画祭を同列に考えてしまい規模の小ささに驚いたのだ。とは言え2 月の寒い夜にわざわざ映画を観に出かける人がいる事や、今年は話題作の『主戦場』が上映されるなど、それなりにインパクトをもたらしている事を知った。
     

     日韓に横たわる禍根
     

     この作品は戦後74 年経った現在も、日韓の間で決して癒えることのない禍根を残している日本軍によって組織れた戦時下の慰安婦問題についてまとめたものである。
     

     監督は米国フロリダ生れ(1983 年生)の日系アメリカ人二世ミキ・デザキ氏。私がこの作品に何よりも興味を持ったのは彼の出自であった。日本人でも韓国人でもない30代半ばの日系二世の男性が、この問題をどの様にとらえキュメンタリーにしたかを知りたかったのだ。
     

     監督は日米韓の国々から政治家、ジャーナリスト、弁護士、歴史学者、憲法学者、教育学者等など27名もの人物にインタビューを試み、彼等の考え方と言い分を引き出している。これ程の人数を登場させることが出来たのは、監督自身も言うように、彼がどちらの国にも属さない人であったからだろう。
     

     ドキュメンタリーというのは、どの立場から制作しようと必ず賛否両論が聞かれるもの。この作品も例外ではなく、まして慰安婦問題は単に二国間の人道問題として片付けることは出来ない歴史、社会、政治、経済、民族、文化的問題が背後に複雑に絡んでいる。

     

     にもかかわらず監督は、戦争中に米国が日系人を強制収容所に送り、後に補償を行った問題と何処かに共通点を見出したいとの意図が見える。その視点は単純過ぎると言わざるを得ない。


    女性に対する尊厳の問題
     

     現在登録されている韓国の元慰安婦で生存しているのは21 人とか。もちろんその女性たちはすべて高齢者であろう。となれば彼女たちが日本政府に対する運動の先頭に立っていることはもはやあり得ない。

     画像に写る黄色いシャツを着て活動を行っている(主に)女性アクティビストたちは、祖母が慰安婦であったか、或いは運動に共鳴する若い世代と想像する。
     

     インタビューされた人の中には、こうした女性活動家たちを指して「皆余り美しくない女性たちで、こうした運動をすることで自分の存在価値を見出している」といった趣旨の事を言う人さえ登場させている。
     

     実に驚くコメントだが、それが事実か否かは別として彼女たちは最後の生存者が亡くなるまで活動を続行するだろう。加えて外国(特に米加)では、経済的政治的に力のある華僑の人々と組み、問題の根本とは違った方向に動いていると言われている。
     

     その行動の一つが次々に設置される慰安婦像である。加州グレンデール市では公共の場に立像したため、大阪は姉妹都市関係に終止符を打った。またトロントでは5 年前に市から許可を必要としない私有地の韓国人会館の表玄関に建立され大々的な除幕式を行った。

     

     賛同するカナダの政治家たち数人も出席したが、「性奴隷」「20 万人の慰安婦」「強制連行」などの言葉が先行するだけで彼等がどの程度詳細を知るか疑問視する向きは多い。
     

     ベトナム戦争では米国に加担した韓国が、自国の女性たちを戦場の兵士のために送っていたことがフィルムの中でも語られている。私は日本軍による慰安婦問題を否定する気は一切ないし、戦時中は米国、ドイツ、フランスなどでも同様なことが行われたなどと過去の歴史を弁明する気など毛頭ない。
     

     戦争は人間を狂気に落とし入れる。どの例を見ても「女性に対する尊厳の問題」であることが共通している。ならば建てられた慰安婦像の横に「戦争の狂気によって女性が汚辱されることを今後一切なくしていこう」と称する別のプラグを掲げるのはどうだろうか。

     

     「#Me Too」のように女性の尊厳を守るために世界の女性が一致団結することは不可能だろうか。

     

     

     

     

     

     

     

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